金策冒険家エイジのblog

私は、私のままで、成功していける。金策冒険家エイジの思考と実践の、不定型な日常。
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偶然に頼るしかない人類の存亡 - NHKスペシャル「女と男(3) 」を観て(3)

Friday, 30, 2009 at 17:36
Y染色体がなくなった哺乳類は絶滅する、とされている。
実はY染色体がなくなっても生き延びている哺乳類がいる。
この日本に。

ジャンガリアンハムスター
画像はジャンガリアンハムスター


その動物がトゲネズミ。
奄美大島に生息するアマミトゲネズミと徳之島に生息する徳之島トゲネズミの2種。
どちらもY染色体がなくなっていることが確認されている。
JUGEMテーマ:NHK

Y染色体がなくなっても絶滅しなかったトゲネズミの謎


Y染色体がなくなったのに、トゲネズミはどうして雄となり、子供を作って生き延びることができたのか?
北海道大学の研究チームがその謎に取り組んでいる。

北海道大学の黒岩麻里博士はアマミトゲネズミの遺伝子解析を行い、精子を作る遺伝子が他の染色体に移ったことを確認した。

一方、雄を決めるSRY遺伝子は完全に失われていることもわかってきた。
このため他の染色体のどこかにSRYと同じ働きをする遺伝子が突然変異によって誕生したのでは、と考えている。


偶然生き延びたトゲネズミ 必然的に滅びるヒト


何も知らないまま生き延びることに成功したトゲネズミ。
では、人間もトゲネズミのような道を歩むことができるのか?

残念ながら北海道大学の松田洋一博士は懐疑的。
あまりにも運を天に任せるような方法だからだ。

トゲネズミのような未来をたどるとはあまり考えられないと思います。というのは、これは偶然の事象であって、ある種の突然変異というのが積み重なって、そして生まれてきたものであるという風に考えられますので、そのような未来をヒトもたどるという風にはあまり考えられないと思いますね」と松田博士。


Y染色体の滅亡が実際に起きることを警告しているトゲネズミ。
自然界には、偶然に頼る以外、Y染色体の滅亡を生き延びる根本的方法はない。
そのことを私たちは知ってしまった。


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だから、男と女はすれ違う―最新科学が解き明かす「性」の謎 NHKスペシャル 女と男 DVD-BOX NHKスペシャル 女と男 第3回 男が消える? 人類も消える? [DVD]




ここまでの感想


胎盤という果実を得る代わりに滅亡という十字架を背負った哺乳類。
だが、トゲネズミのように絶滅を免れた例外もいる。
こんな事例に接すると、人類はY染色体がなくなった後も生き延びるんじゃないか、という気がしてくる。

この楽観論を支える根拠を示すことにしよう。

私は存亡の危機にさらされた種には超自然的な作用(「幸運な偶然の積み重ね」とでも表現されるであろう奇跡)が働くと考えている。
絶滅を免れたトゲネズミはそれが発揮された一例、もしくはこの説を裏付ける証拠。
つまり、私にとってトゲネズミの事例は哺乳類の例外を示しているようには思えなくて、進化の原則に則った生命の通例を示しているように思えるのだ。


住んでいる世界によって異なる結論


北海道大学の松田博士はこうした楽観論に対して否定的な立場をとっている。
それは私と松田博士とで住んでいる世界が違うことに由来する。

私はトゲネズミに起こった突然変異すらも「必然」とみなす世界に住んでいる。
宇宙や生命が誕生したという奇跡と比較すれば、そのくらい起きても不思議はないだろう。

[すべて必然の世界]
すべて必然の世界
起こることすべてが必然。
その中には、一般に「偶然」と呼ばれる極めて稀な現象、もくしは人間が「起こりえない」と勝手に規定している事象も含まれている。



一方、松田博士は「偶然」と「必然」を分けて考える世界に住んでいる。

[偶然と必然が分かれた世界]
偶然と必然が分かれた世界
すべての事象は偶然と必然に分けられる。
偶然とは「起こりえないこと」、もしくは「起こることが極めて稀なこと」が起こった場合の事象のこと。


トゲネズミの事例は「偶然」となり、例外的な哺乳類として分類される。
それを同じ哺乳類である人類に当てはめるなど、考えられない。


同じ事象を見ても、住んでいる世界によって結論は異なる。
どちらが正しいかは、人類から完全にY染色体が消滅した後にわかる。
それは来週かもしれないし、500万年後かもしれない。


自然な淘汰圧と不自然な淘汰圧


私は自然な淘汰圧がかかれば、人類もトゲネズミのように生き延びるのでは、と考える程の楽観論者だが、不自然な淘汰圧がかかった場合は、人類もドードー鳥と同じ運命を歩むと思うくらいには現実主義者だ。

ここで言う「自然な淘汰圧」とは、数百年〜数万年単位で進行する危機のことで、逆説的に定義するなら、「遺伝子による危機回避行動(突然変異など)が間に合う程度の速度で進行する危機」となる。

大気汚染


不自然な淘汰圧」とは、人類が他の生物に対して行ってきた(今も行っている)乱獲や森林破壊、大気や海洋、河川の汚染などによる急激な環境破壊のことで、数年〜数十年という進化のタイムスケールからすれば刹那とも言える短い期間ですっかり環境を変えてしまう危機のことを指す。

人間は自らの繁栄と欲望のために数々の生物を死滅させ、絶滅に追い込んでいるが、その影響の範囲内に、人類自身も入っている。
次に番組で紹介されるのは、人類が自らの手で滅亡しかねないという可能性について。


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常に心に留めておきたい詩
危険から守り給えと祈るのではなく、危険と勇敢に立ち向かえますように。

痛みが鎮まることを乞うのではなく、痛みに打ち克つ心を乞えますように。

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不安と恐れの下で救済を切望するのではなく、自由を勝ち取るために耐える心を願えますように。

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(ラビンドラナート・タゴール「果物採集」より 石川拓治訳)


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